扶養の確定申告で損しない書き方|年収の壁・親や配偶者の条件
家族の生活費を支えている世帯主にとって、正しいやり方で申告手続きを行うことは家計の防衛に直結します。
確定申告で損をしないためには、親や配偶者を扶養に入れるための条件や最新の年収の基準を正確に把握しておくことが欠かせません。
要件を満たしているにもかかわらず申告漏れがある場合は、本来納めるべき金額以上の税負担が生じてしまいます。
本記事では、具体的な手続きの流れから節税の仕組みまでを詳しくお伝えします。
扶養控除とは?確定申告で税金が安くなる仕組みを解説
扶養控除とは、納税者が16歳以上の親族を養っている場合に、一定の金額を所得から差し引ける制度です。
差し引かれたあとの課税所得に対して所得税や住民税の税率が掛けられるため、結果として支払う税金が安くなるというメリットがあります。
会社員が行う年末調整との違いとして、自営業者や副業をしている人は自ら確定申告を行うことで控除が適用され、税負担を減らせます。
そもそも控除とは何か、所得控除や税額控除の全体像を詳しく知りたい方はこちらがおすすめです。
控除とは?所得控除や税額控除の種類一覧と税金が安くなる仕組みをわかりやすく解説
扶養控除で所得税・住民税がいくら節税できるか一覧表で確認
適用される控除額は対象者の年齢や同居の有無によって変動します。
基本となる一般の控除額は所得税38万円で、19歳から23歳未満の特定扶養親族の場合は控除63万円となります。
なお、16歳未満は扶養控除が0円に設定されています。
これとは別に、納税者本人の基礎控除として48万円が差し引かれる仕組み全体の計算によって税金が決まります。
具体的な節税の金額は所得税率により変わります。
税率10%の人なら一般控除で約3万円安くなり、税率が高い場合は5万円から7万円ほどの節税になるケースもあります。
特定扶養控除なら約8万円の軽減が見込めます。
【2025年最新】扶養に入れる年収の壁はいくら?103万円から変わる新基準
2025年(令和7年)の税制改正により、これまで意識されてきた年収の基準が大きく見直されました。
令和6年分までは給与収入103万が非課税ラインでしたが、基礎控除や給与所得控除の引き上げにより、この枠が拡大されています。
さらに、年収が130万を超えた場合に社会保険の扶養から外れるルールは残るものの、いつから定額減税が適用されるかなど、家計への影響は多岐にわたります。
配偶者を扶養に入れる場合の年収条件(配偶者控除・配偶者特別控除)
結婚して配偶者を扶養に入れる場合、対象となるのは夫や妻の合計所得金額が一定以下であるケースです。
専業主婦のように収入がない場合や、パート収入が基準の範囲内であれば配偶者控除の対象となります。
2025年の改正により、給与のみの場合は123万円以下に緩和されました。
また、この基準を超えた主婦であっても、一定 of 年収までは配偶者特別控除が適用され、段階的に税金が軽減されます。
ただし、納税者本人の合計所得金額が900万円を超えると控除額が減少し、1,000万円を超過すると一切の控除が受けられなくなる点に注意が必要です。
子どもや親族を扶養に入れる場合の年収条件(扶養控除)
子どもなどの家族を扶養控除の対象とする場合、その年の12月31日時点で16歳以上であることが条件です。
そのため、0歳や9歳といった16歳未満の娘や息子は対象外となります。
要件としては、生計を一にしており、年間の合計所得金額が基準(2025年からは58万円以下、給与のみなら123万円以下)に収まる必要があります。
また、19歳以上23歳未満の特定扶養親族向けに、2025年から「特定親族特別控除」が新設されました。
子どもの給与収入が123万円を超過しても188万円以下であれば、段階的な控除が適用され世帯の税負担を抑えられます。
親を扶養に入れる場合の条件|別居や年金受給中でも対象になる?
両親を扶養に入れる際、必ずしも同居している必要はありません。
仕送りをして生活費を援助しているなど「生計を一にしている」という事実があれば、別居している親でも対象となります。
また、対象となる親が年金受給者であっても控除を受けることは可能です。
ただし、老親の所得金額には条件が設けられています。
公的年金等控除を差し引いたあとの所得が基準額(2025年からは58万円以下)に収まらなければなりません。
例えば、65歳以上で年金収入のみの場合、年間の受給額が168万円以下であれば扶養控除の対象です。
70歳以上の場合は「老人扶養親族」として扱われ、通常の控除よりも金額が大きくなるため大きな節税効果を見込めます。
【図解】確定申告書への扶養控除の書き方を4ステップで解説
税務署へ提出する確定申告書で正しく控除を申請するには、該当箇所へ漏れなく記入する手続きが不可欠です。
近年はスマートフォンやパソコンからe-taxを利用して作成する人が増えており、画面の指示に従うことで簡単に入力できます。
ここでは、紙の書類で申告する場合をベースに、必要書類の準備から具体的な書き方までを4つのステップで解説します。
ステップ1:確定申告書 第二表「配偶者や親族に関する事項」を記入する
最初のステップとして、確定申告書第二表にある「配偶者や親族に関する事項」の欄へ必要事項を記入します。
ここには、控除を受けたい対象者の氏名、生年月日、続柄を正確に記載してください。
また、対象者が該当する区分に丸をつけるか、チェックを入れる作業が発生します。
同居老親等や特定扶養親族、非居住者である親族など、該当する項目を正しく選択しなければ控除額の計算がずれてしまいます。
別居している親へ仕送りをしている場合は、送金金額を記載する欄も存在するため、漏れのないように書き込んでください。
ステップ2:控除対象者のマイナンバーを記載する
対象者の情報を記入したあとは、同じく第二表の所定欄にマイナンバーを正確に記載します。
税務手続きにおいて個人番号の記載は義務付けられており、配偶者や親族全員の番号を間違いのないように書き写す必要があります。
申告者本人の番号は第一表に記入するスペースがありますが、家族の番号は第二表にまとまっています。
手元に家族全員の通知カードや個人番号カードを用意したうえで、12桁の数字を枠内に記入してください。
なお、e-taxを使ってオンライン for 作成する場合は、入力画面上で対象者の番号を入力してデータ連携を行います。
ステップ3:確定申告書 第一表「所得から差し引かれる金額」へ転記する
第二表への記入が完了したら、次は確定申告書第一表の「所得から差し引かれる金額」というセクションへ金額を転記します。
配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除などの該当する項目に対して、算出された控除額を書き込んでください。
この金額は、対象者の年齢や同居の有無、本人の合計所得によって異なります。
国税庁のホームページや手引きに掲載されている早見表を参照しながら、正確な数字を計算して記入します。
もし金額を間違えてしまうと、最終的な税額計算に狂いが生じるため、慎重に確認しながら記載を進めてください。
ステップ4:添付が必要な書類を確認する
最後のステップとして、申告書と一緒に提出しなければならない添付書類を確認します。
基本的には家族のマイナンバーに関する証明書類を税務署へ直接提示するか、写しを添付する必要があります。
申告者本人の本人確認書類も併せて準備してください。
また、海外に住んでいる親族(非居住者)を扶養に入れる場合は特別な対応が求められます。
親族関係書類に加えて、生活費を援助していることを客観的に示す送金関係書類の添付が必須です。
銀行の外国送金依頼書の控えなど、送金事実がわかる証明を漏れなく揃えて提出を完了させます。
年末調整で扶養の申告を忘れた・間違えた場合の対処法
会社へ提出する書類の期限に間に合わず、年末調整で家族の申告漏れや入れ忘れが発生するケースは少なくありません。
また、提出後に子どもの収入が予想より多く、対象から外さなければならないといった変更や訂正が生じることもあります。
こうした追加の申請や修正が必要になった場合でも、後から正しい状態へ直す手段は用意されています。
会社員は確定申告で扶養控除の追加・修正が可能
普段は会社で税金の手続きが完結するサラリーマンであっても、年末調整の内容に誤りがあった場合は、自分で確定申告を行うことで内容の追加や修正が可能です。
勤務先から交付された源源徴収票を手元に用意し、そこに記載されている金額をベースにして申告書を作成します。
この際、漏れていた配偶者や親族の情報を追加して申告を行えば、正しい税額が再計算されます。
会社の経理担当者へ再計算を依頼する手間を省き、直接税務署へ手続きを行うことで問題を解決できます。
手続きの期間は原則として翌年の2月16日から3月15日までとなっています。
過去5年以内なら還付申告で税金が戻る可能性がある
もし確定申告の期限を過ぎてしまっても、諦める必要はありません。
納めすぎた税金を取り戻すための還付申告は、対象となる年の翌年1月1日から5年間であれば行うことができます。
例えば、数年前の年末調整で親を扶養に入れるのを忘れていた場合でも、過去5年以内ならさかのぼって申告が可能です。
手続きが受理されれば指定した口座へ還付金が振り込まれ、納めすぎた税金が戻ってくる仕組みになっています。
さかのぼって適用を受けるには、当時の源泉徴収票や必要な控除証明書を揃えて税務署へ提出してください。
扶養の確定申告に関するよくある質問
ここでは、税金の手続きに関するよくある疑問にお答えします。
手続きのタイミングはいつ行えばよいのか、あるいは正しい申告をしないとどうなるのかといった不安を解消し、適切な対応ができるように情報をまとめました。
Q. 年の途中で扶養から外れた場合、確定申告は必要ですか?
中途退職や就職により年度途中で外れた場合は、年末調整の修正か確定申告が必要です。
年の途中で退職して外れるなど、基準日に要件を満たさず外れた場合や外す手続きが漏れると追徴課税のリスクがあります。
副業やアルバイトを掛け持ちしている場合、いくらから申告が必要か、会社にバレない方法は下記で解説しています。
副業の確定申告はいくらから必要?会社にバレない方法も解説
Q. 共働き夫婦の場合、子どもはどちらの扶養に入れるべきですか?
共働きの場合は、原則として所得が多い方の親に入れる方が節税効果が高くなります。
所得税は累進課税のため、収入が高い方が適用される税率も高く、控除によって差し引かれる税金の軽減額も大きくなります。
Q. アルバイトを掛け持ちしています。合計年収が103万円を超えたら扶養はどうなりますか?
【結論】バイトやパートなど給与収入の合計が基準を超えると外れます。
また、内職や業務委託、せどり、家賃収入、株や競馬などの副業で売上から経費を引いた所得がある個人事業主は、青色申告や損益通算、乙欄の状況も踏まえて合算で判定されます。
まとめ
税制上の要件を満たすかは、対象者の収入や国外の居住者、死亡した場合などで異なります。
申告が必要か不要かは所得で決まり、生命保険などの保険料控除や医療費控除が絡むケースもあります。
手当の支給や、国民健康保険、健康保険、国民年金など社会保険の保険料負担が発生するかどうかも重要です。
nisaの運用益は判定に影響なしとなります。


