会社員(サラリーマン)は、通常会社が行う年末調整によって税金の手続きが完了するため、確定申告に馴染みがないかもしれません。
しかし、特定の条件に当てはまる「必要な人」は、自分自身で確定申告を行う必要があります。
確定申告とは、1年間の所得とそれに対する税額を計算し、国に申告・納税する手続きのことです。
この記事では、自分が申告対象者なのかを判断する基準から、初めてで全くわからない人でも理解できるよう、必要書類の準備、申告書の作成方法、提出までの手順・流れを解説します。
個人事業主とは異なる会社員の確定申告について、自分でやるやり方を把握しましょう。
【義務】会社員でも確定申告が必要になる6つのケース
ほとんどの会社員は年末調整で所得税の納税が完了しますが、特定の条件に該当する場合は、個人で確定申告をしなければなりません。
これらのケースに該当する対象者は申告義務があり、申告を忘れたり無申告のままでいたりすると、本来納めるべき税金に加えて無申告加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性があります。
まずは、義務となる基準を知る前に「確定申告とは何か」という基礎知識を整理しておきましょう。ここでは、申告義務の対象となる6つのケースを解説します。
年間の給与収入が2,000万円を超えている
年間の給与収入が2,000万円を超える会社員は、会社の年末調整の対象外となるため、自身で申告が必要です。
副業による所得の合計が年間20万円を超えている
副業での所得(売上ー経費)が20万円を超える場合も義務となります。副業が軌道に乗っているなら、最大65万円の控除が受けられる「青色申告」の検討もおすすめします。
2か所以上の会社から給与をもらっている
主たる給与以外の収入がある場合も、正しい税額を計算するために合算申告が必要です。
年の途中で退職し年末調整を受けていない
退職して年を越した場合、税金を納めすぎているケースが多く、申告により還付を受けられる可能性が高いです。
年末調整で申告できない控除を適用したい
「特定支出控除」など、会社の手続きでは対応できない特殊な控除を受ける場合です。
保険の満期金など給与以外のまとまった所得があった
一時所得や仮想通貨の利益など、給与以外の臨時収入も対象になることがあります。
【任意】確定申告をすると税金が戻ってくる可能性がある5つのケース
確定申告は義務として行うだけでなく、申告することで払いすぎた所得税が戻ってくる「還付申告」としての側面もあります。
還付を受けるためには、まず「経費とは何か」という基準を正しく理解し、計上漏れをなくすことが節税の第一歩となります。ここでは、税金が戻ってくるお得な5つのケースを紹介します。
ふるさと納税の寄付先が6自治体以上ある
ワンストップ特例が使えないため、自身で寄付金控除を申告する必要があります。
1年間の医療費合計が10万円を超えた(医療費控除)
生計を共にする家族の分も合算可能です。ドラッグストアでの市販薬購入も対象になる場合があります。
住宅ローンを組んでマイホームを購入した1年目
住宅ローン控除の適用には、初年度のみ確定申告が必須となります。
災害や盗難などの被害に遭った(雑損控除)
不慮の損害を受けた場合に所得から控除できる仕組みです。
特定の団体へ寄付をした(寄附金控除)
日本赤十字社や認定NPO法人などへの寄付が対象です。
【3ステップで解説】会社員の確定申告のやり方と全体の流れ
会社員の確定申告はポイントを押さえれば自分でも簡単に行えます。
まずは、手続きに欠かせない源泉徴収票や控除証明書など「確定申告に必要な書類」を準備しましょう。
特に会社員の方は、「副業の確定申告がいくらから必要か」によって準備する書類も変わってきます。全体の流れは以下の3ステップです。
ステップ1:申告に必要な書類を手元に準備する
マイナンバーカードや、1年間の収入を証明する書類を揃えます。
ステップ2:自分に合った方法で確定申告書を作成する
国税庁のサイトを使えば自動計算されるため、初心者でも安心です。
ステップ3:完成した確定申告書を税務署に提出する
スマホやPCからe-Taxで送信するのが最もスムーズです。
会社員が確定申告で気になる疑問点を解消
会社員が確定申告を行う際には、特有の不安があるものです。将来的にフリーランスを検討しているなら、今のうちに「個人事業主の税金の種類」についても把握しておくと将来の計画が立てやすくなります。
副業を会社に知られたくない場合の住民税の申告方法
住民税の「普通徴収」を選択することで、会社に副業を知られるリスクを軽減できます。
申告内容を間違えたり期限を過ぎたりした場合の対処法
間違いに気づいたら放置せず、早急に対応しましょう。申告漏れは「無申告のペナルティ」の対象になる可能性があります。
会社員の確定申告に関するよくある質問
確定申告と年末調整の違いは何ですか?
年末調整は会社が、確定申告は本人が行う精算手続きです。必要に応じて両方行う必要があります。
副業の所得が20万円以下なら確定申告は本当に不要ですか?
所得税は不要ですが住民税の申告は必要です。また、最近は副業でも「税務調査」の対象になるケースが増えているため、帳簿や領収書の保管は徹底しましょう。
確定申告の期間はいつからいつまでですか?
例年2月16日から3月15日までです。2025年分については、2026年2月16日から3月16日が受付期間となります。
最後に、自分が使える「控除の種類」を一覧で確認し、払いすぎた税金がないかチェックしてみることをおすすめします。
まとめ
会社員の確定申告は、年収2,000万円超や副業所得20万円超などの条件に当てはまる場合は義務となり、医療費控除などを受けるためには任意で行います。
正しい納税額を納めるため、そして還付というメリットを受けるためにも、自分の状況に合わせて適切に手続きを進めましょう。


