確定申告の必要書類一覧【会社員・個人事業主別】わかりやすく解説
2026年(令和7年)に行う所得税の確定申告(2025年分)で必要なものについて、会社員や個人事業主といった立場別にわかりやすく解説します。
確定申告の必要書類は、所得の種類や受ける控除によって異なります。
この一覧をチェックリストとして活用し、ご自身の状況に合わせて準備を進めましょう。
書類は7年間の保存義務があるものもあるため、リストを参考に計画的な準備が重要です。
【全員共通】確定申告で必ず準備が必要な5つの書類
所得の種類や申告内容にかかわらず、確定申告を行うすべての方が基本的に準備する必要がある書類です。
申告書への添付または提示が求められる本人確認書類や、各種控除、税金の還付を受けるために必要な情報も含まれます。
これらの添付書類がなければ申告手続きが進められないため、最初に確認しておきましょう。
1. 確定申告書(A・Bは廃止され一本化)
確定申告を行うための最も基本となる書類です。
以前は会社員向けの「確定申告書A」と、個人事業主向けの「確定申告書B」がありましたが、令和4年分の申告から様式が一本化されました。
確定申告書は、税務署で直接受け取るか、国税庁のウェブサイトからダウンロードして印刷することで入手できます。
e-Taxを利用する場合は、画面の案内に従って入力すれば自動で作成されるため、書類の準備は不要です。
自分でやる場合は、必要書類の書き方を確認しながら作成を進めます。
2. 本人確認書類(マイナンバーカードの有無で異なる)
確定申告では、マイナンバー(個人番号)の記載と本人確認書類の提示または写しの添付が必要です。
マイナンバーカードを持っている場合は、その表面と裏面のコピーだけで本人確認が完了します。
マイナンバーカードなしの場合は、「マイナンバーが確認できる書類(通知カードのコピーや住民票の写しなど)」と、「身元が確認できる書類(運転免許証やパスポートなどのコピー)」の2種類の提出が必要です。
3. 所得を証明するための書類(源泉徴収票など)
1年間の所得金額を証明するための書類が必要です。
給与所得者の場合は、年末調整の後などに勤務先から交付される「給与所得の源泉徴収票」が該当します。
個人事業主やフリーランスで報酬を受け取っている場合は、取引先から「支払調書」が発行されることがあります。
源泉徴収票が届かない、または紛失した際は勤務先に再発行を依頼してください。
給与明細は所得証明として認められないため注意が必要です。
4. 各種控除の適用を証明する書類
所得控除を受けるためには、その適用を証明する書類の提出または提示が求められます。
例えば、社会保険料控除を受ける場合は、国民年金保険料の「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が必要です。
扶養している家族がいる場合の扶養控除や、配偶者の所得に応じた配偶者控除・配偶者特別控除、ひとり親が対象のひとり親控除など、適用する控除に応じた証明書を準備しましょう。
所得控除や税額控除の種類、税金が安くなる具体的な仕組みについてはこちらの記事で解説しています。
控除とは?所得控除や税額控除の種類一覧と税金が安くなる仕組みをわかりやすく解説
5. 税金の還付を受けるための振込先口座情報
確定申告によって所得税が還付される場合に、還付金を受け取るための振込先口座情報が必要です。
申告書には、申告者本人名義の銀行名、支店名、口座番号を正確に記入する欄があります。
キャッシュカードや通帳で確認し、間違いのないように記載してください。
一部のインターネット銀行は還付金の受け取りに対応していない場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
【状況別】あなたのケースで追加となる必要書類
ここからは、個人の状況に応じて追加で必要となる書類を解説します。
初めて確定申告をする方で、どの書類が必要かわからない場合は、まずご自身の所得の種類を確認することが重要です。
申告期間は原則として翌年2月16日から3月15日までですが、書類の準備には時間がかかることもあります。
やり直しを避けるためにも、早めに準備を始めましょう。
過去の申告をさかのぼって申告する場合も、該当する年の書類が必要になります。
【個人事業主・フリーランス】事業所得がある方の必要書類
個人事業主やフリーランスとして事業所得や不動産所得、農業所得がある方は、日々の取引を記録した帳簿に基づき、所得を計算するための決算書を作成する必要があります。
申告方法が「青色申告」か「白色申告」かによって、作成する書類や受けられる控除額が異なります。
また、インボイス制度の登録事業者は、消費税の申告も必要になる場合があります。
予定納税を行っている場合は、その納税額を証明する書類も準備します。
青色申告:青色申告決算書と仕訳帳・総勘定元帳など
青色申告を選択している場合、「青色申告決算書」の提出が必須です。
この決算書は、損益計算書と貸借対照表などで構成されます。
決算書の作成根拠となる「仕訳帳」や「総勘定元帳」といった主要簿、その他売掛帳や買掛帳などの補助簿も作成し、定められた期間保存する義務があります。
これらの帳簿類は提出の必要はありませんが、税務調査の際には提示を求められます。
白色申告:収支内訳書と法定帳簿など
白色申告を行う場合は、「収支内訳書」を作成し、確定申告書に添付して提出します。
収支内訳書は、1年間の売上や経費の内訳を記載し、所得金額を計算するための書類です。
青色申告ほどの複雑さはありませんが、白色申告でも収入金額や必要経費を記載した法定帳簿の作成と保存が義務付けられています。
日々の取引を整理し、正確な金額を記載することが求められます。
【会社員・アルバイト】給与所得がある方の必要書類
会社員、サラリーマン、アルバイト、派遣、フリーターなどの給与所得者は、通常は会社の年末調整で納税が完了するため確定申告は不要です。
しかし、副業所得がある場合や年収が一定額を超える場合、年の途中で退職した場合など、特定の条件下では確定申告が必要になります。
自身の状況が申告義務に該当するかどうかを確認しましょう。
副業で20万円超の所得がある場合
会社員が副業で得た所得(収入から経費を引いた金額)の合計が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。
この所得は主に雑所得に区分されます。
例えば、メルカリでの販売、YouTubeの広告収入、ネットでのライター活動、ホステスの報酬などが該当します。
また、株や仮想通貨(暗号資産)などの投資で利益が出た場合も申告が必要です。
その際は、証券会社から発行される「年間取引報告書」をもとに配当金や譲渡損益を計算し、必要に応じて損益通算を行います。
年収2,000万円を超える場合
給与の年間収入金額が2,000万円を超える会社員は、法律により会社で年末調整を行うことができません。
そのため、各種控除などを自分で計算し、確定申告を行う必要があります。
勤務先から受け取った源泉徴収票をもとに、他の所得や控除と合わせて申告書を作成し、納税または還付の手続きを行います。
年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合
年の途中で退職し、その後再就職せずに年末を迎えた場合、年末調整を受けていないため、確定申告をすることで納めすぎた所得税が還付される可能性があります。
退職時に受け取った「給与所得の源泉徴収票」をもとに申告します。
また、退職金を受け取った際、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合は、退職所得についても確定申告が必要です。
【目的別】税金の還付・控除を受けるために必要な書類一覧
会社員の方でも、年末調整では適用できない控除を受けることで、税金の還付を受けられる場合があります。
これを還付申告といい、医療費控除や住宅ローン控除(1年目)、ふるさと納税などの寄付金控除が代表例です。
これらの控除を受けるためには、それぞれ定められた証明書類を申告書に添付するか、内容を入力する必要があります。
定額減税の対象となる方も、申告内容の確認が必要です。
医療費控除:医療費控除の明細書
1年間に支払った医療費が一定額を超える場合に受けられる医療費控除を申請するには、「医療費控除の明細書」の提出が必要です。
健康保険や国民健康保険から支給される高額療養費や出産育児一時金などは、支払った医療費から差し引いて計算します。
領収書そのものの提出は不要ですが、内容確認のために5年間の自宅保管が義務付けられています。
寄附金控除:寄附金の受領証(ふるさと納税など)
ふるさと納税をしたり、国や地方公共団体、特定の法人などに寄付をしたりした場合、寄附金控除を受けられます。
この控除を受けるためには、寄付先から発行される「寄附金の受領証」や、ふるさと納税ワンストップ特例の申請をしていない場合の「寄附金控除に関する証明書」が必要です。
証明書に記載された金額を申告書に記入します。
住宅ローン控除(初年度):住宅借入金等特別控除額の計算明細書など
マイホームの新築や購入で住宅ローンを利用した場合、住宅ローン控除を受けるためには、1年目に確定申告が必要です。
その際、「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に加えて、金融機関発行の「年末残高等証明書」、不動産の「売買契約書」の写し、「登記事項証明書」など、多くの書類を揃える必要があります。
土地購入に関わる書類や固定資産税の情報が必要な場合もあります。
雑損控除:災害等に関連したやむを得ない支出の領収証
自然災害、火災、盗難、横領などによって、生活に通常必要な資産に損害を受けた場合に雑損控除を受けられます。
この控除を適用するには、損害に関連するやむを得ない支出についての領収書や、災害の事実を証明する「罹災証明書」などが必要になります。
損害額を合理的に計算するための書類を準備しましょう。
生命保険料控除や地震保険料控除:控除証明書
生命保険料控除や地震保険料控除は、通常は年末調整で手続きが完了しますが、提出を忘れた場合や個人事業主の方は確定申告で控除を適用できます。
保険会社から秋頃に郵送されてくる「控除証明書」が必要で、証明書に記載された年間の支払保険料を申告書に記入します。
電子データで受け取れる場合もあります。
提出は不要でも保管義務がある書類に注意
確定申告の手続きは年々簡素化されており、以前は提出が必須だった書類の一部が、現在では提出不要となっています。
ただし、提出が不要になったからといって、破棄してよいわけではありません。
税務署から後日内容の確認を求められた際に提示できるよう、法律で定められた保存期間は自宅や事務所で大切に保管しておく必要があります。
2019年分から源泉徴収票の添付が不要に
2019年(令和元年)分の確定申告から、税制改正により「給与所得の源泉徴収票」や「公的年金等の源泉徴収票」などの添付が不要になりました。
これにより、申告時の手間が一つ減りましたが、確定申告書を作成する際には源泉徴収票に記載された支払金額や源泉徴収税額などの情報が必要になるため、手元に準備しておく必要があります。
医療費控除の領収書は5年間の保管が必要
医療費控除を申請する際、以前は医療費の領収書をすべて台紙に貼り付けて提出する必要がありましたが、現在は「医療費控除の明細書」を作成・提出する形式に変更されています。
これに伴い、領収書の提出は不要となりました。
ただし、申告内容の根拠となる領収書は、申告期限から5年間、自宅で保管する義務があります。
提出方法で変わる!e-Taxなら添付を省略できる書類
確定申告の提出方法には、税務署の窓口や郵送による書面提出のほかに、国税電子申告・納税システム「e-Tax」を利用したオンラインでの電子申告があります。
スマホやパソコンから申告できるe-Taxを利用すると、生命保険料控除証明書など、一部の第三者作成書類の添付を省略できるという大きなメリットがあります。
マイナポータルとの連携で、さらに手続きが簡便になります。
マイナンバーカード方式のe-Taxで省略可能な書類一覧
マイナンバーカードと、それを読み取れるスマートフォンまたはICカードリーダライタを使用してe-Taxで申告する方法です。
この方式では、生命保険料控除証明書や寄附金の受領証といった書類の記載内容を入力して送信することにより、原本の提出または提示を省略できます。
ただし、これらの書類は法定申告期限から5年間、自宅で保管する必要があります。
ID・パスワード方式のe-Taxで省略可能な書類一覧
マイナンバーカードを持っていない場合の暫定的な措置として、事前に税務署の窓口で本人確認を行い、IDとパスワードを発行してもらう方法があります。
このID・パスワード方式を利用してe-Taxで申告する場合も、マイナンバーカード方式と同様に、生命保険料控除証明書などの第三者作成書類の添付を省略することが可能です。
確定申告の必要書類に関するよくある質問
確定申告の書類準備を進める中で生じやすい疑問について解説します。
問い合わせの前に、一度こちらで確認してみてください。
Q1. パートやアルバイトでも確定申告の書類は必要ですか?
はい、必要な場合があります。
年収103万円以下でも給与から所得税が源泉徴収されている場合、確定申告をすれば税金が還付される可能性があります。
また、複数の勤務先を掛け持ちしていて年末調整がされていない場合も申告が必要です。
これらのケースでは、勤務先から交付される源泉徴収票を準備してください。
Q2. 書類をなくしてしまった場合はどうすれば再発行できますか?
書類の発行元に問い合わせて再発行を依頼してください。
例えば、源泉徴収票がない場合は勤務先の経理担当者に、保険料控除証明書がない場合は加入している保険会社に連絡します。
再発行には時間がかかることもあるため、紛失に気づいたら早急に手続きを進めることが重要です。
Q3. すべての書類は原本を提出しないといけないのですか?
いいえ、すべての書類で原本が必要なわけではありません。
本人確認書類や不動産売買契約書などは写し(コピー)の提出が認められています。
一方で、控除証明書など原本の提出が求められる書類もあります。
どちらが必要か不明な場合は、国税庁のウェブサイトで確認するか、税務署に問い合わせましょう。
まとめ
確定申告の必要書類は、個人事業主(青色・白色)、会社員の副業、年金受給者、不動産収入や譲渡所得がある方など、個人の状況によって大きく異なります。
医療費控除やマイホームの住宅ローン控除(1年目・2年目以降)など、受けたい控除によっても追加の書類が発生します。
帳簿や請求書などを整理し、ご自身のケースに必要な書類をリストアップして、早めに準備を始めましょう。
提出方法は、郵送や税務署窓口への持ち込みのほか、添付書類を省略できるe-Taxが便利です。


