扶養控除とは?条件・年齢・控除額をわかりやすく解説

控除
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扶養控除とは、納税者に所得税法上の控除対象扶養親族がいる場合に、所得から一定額を差し引くことができる制度です。
わかりやすく言うと、家族を養っている人が税金の負担を軽くしてもらえるルールで、日本の税制の一部です。
この制度の目的は、扶養親族がいることによる納税者の経済的負担を軽減することにあります。

メリットは、課税対象となる所得が少なくなるため、結果的に所得税や住民税が安くなる点です。
扶養控除は誰もが受けられる基礎控除とは異なり、適用には特定の条件を満たす必要があります。
その内容は時に難しいと感じられることもありますが、基本的な仕組みを理解することが節税につながります。
詳しい情報は国税庁のウェブサイトでも確認できます。

【2025年最新】扶養控控除の適用対象となる4つの要件

扶養控除を受けるには、扶養する家族が「控除対象扶養親族」として認められる必要があります。
対象者となるための適用条件は、単に家族であるというだけでなく、以下の4つの要件をその年の12月31日時点で全て満たさなければなりません。

これらの条件を一つでも満たさない場合、扶養控除を受けることはできません。
具体的には「親族の範囲」「生計を共にしていること」「年間の合計所得金額」「対象年齢」が問われます。
ここでは、それぞれの要件について詳しく解説します。

要件1:親族の範囲(6親等内の血族・3親等内の姻族)

扶養控除の対象となる親族の範囲は、納税者本人との関係性で定められています。
具体的には、配偶者以外の親族、つまり6親等内の血族および3親等内の姻族が対象です。
血族とは、本人と血縁関係にある親、祖父母、子供、孫、弟、甥、姪などを指します。

姻族とは、結婚によって親族となった人を指し、例えば妻の父母や息子の妻などが該当します。
また、都道府県知事から養育を委託された里子や市町村長から養護を委託された老親も対象に含まれます。
ただし、内縁の夫や妻は法律上の親族ではないため対象外です。

共働き夫婦の場合、同じ子供を二重で扶養控除の対象とすることはできません。
離婚した場合、親権の有無にかかわらず、実際に養育費を支払うなどして扶養している親が控除を受けられます。
詳細は国税庁のタックスアンサー(No.1180)で確認できます。

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要件2:生計を共にしていること(同居・別居の基準)

「生計を一にする」とは、必ずしも同居していることを意味しません。
同じ財布で生活している状態を指し、別居していても生活費や学費、療養費などを常に送金している事実があれば、この要件を満たします。
例えば、勤務の都合で単身赴任している夫から生活費を受け取っている家族や、地方で暮らす親に仕送りをしている場合、海外へ留学している子供に学費を送っているケースなどが該当します。

別居している親族を扶養に入れる際は、送金の事実を証明できる金融機関の振込明細などを保管しておくことが重要です。
世帯分離をしていても、生計が同じであれば問題ありません。
ただし、非居住者である親族を扶養控除の対象とする場合は、親族関係書類や送金関係書類の提出が義務付けられるなど、より厳格な要件が定められています。

要件3:年間の合計所得金額が基準以下であること

扶養控除の対象となる親族は、年間の合計所得金額が48万円以下である必要があります。
給与収入のみの場合は、給与所得控除額の最低55万円を差し引くため、年収103万円以下が基準となります。
これが「年収の壁」の一つです。
例えば、親の年金収入が対象となる場合、公的年金等控除額を差し引いた後の所得金額で判断します。

ただし、遺族年金や障害年金は非課税所得のため、この合計所得金額には含まれません。
青色申告や白色申告の事業専従者として専従者給与を受け取っている場合は、その金額にかかわらず扶養控除の対象外です。
なお、納税者の所得には制限がありませんが、配偶者控除には納税者本人の所得制限が存在します。
令和7年度からは、この所得基準が58万円以下(給与収入のみで123万円以下)に見直される可能性があります。

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要件4:対象年齢(16歳以上)であること

扶養控除の対象となる扶養親族の年齢は、その年の12月31日時点で満16歳以上である必要があります。
したがって、16歳未満の子供、例えば中学生や0歳から6歳の未就学児は扶養控除の対象にはなりません。
これは、かつて存在した年少扶養控除が廃止され、代わりに児童手当制度が導入された経緯があるためです。

扶養控除は受けられませんが、住民税の非課税限度額を計算する際には16歳未満の扶養親族の人数も含まれるため、年末調整の「扶養控除等(異動)申告書」には氏名などを記載する必要があります。
何歳から対象になるかという問いの答えは「16歳から」であり、年齢の上限はありません。

【一覧表】扶養親族の区分ごとの控除額

扶養控除の金額は、扶養親族の年齢や同居の有無によって4つの区分に分けられており、それぞれ控除額が異なります。
扶養親族が複数人いる場合は、それぞれの控除額を合計した金額が納税者の所得から差し引かれます。
例えば、17歳の高校生と20歳の大学生の子供2人を扶養している場合、それぞれの区分の控除額を合算して計算します。

控除額の内訳は所得税と住民税で異なり、所得税の方が金額は大きくなります。
以下に、扶養親族の区分ごとの所得税の控除額を一覧で示します。

一般の控除対象扶養親族:38万円

一般の控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、その年の12月31日時点の年齢が16歳以上19歳未満、または23歳以上70歳未満の人を指します。
具体的には、高校生の子どもや、大学生ではない19歳以上の子ども、70歳未満の親などがこの区分に該当します。
この場合の所得税の控除額は38万円です。

住民税の控除額は33万円となります。
最も標準的な扶養控除の区分であり、特定の条件に当てはまらない16歳以上の扶養親族は、基本的にこの一般扶養親族として扱われます。

特定扶養親族(19歳~22歳):63万円

特定扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年の12月31日時点の年齢が19歳以上23歳未満の人を指します。
この年齢層は、主に大学生や専門学校生などにあたり、教育費などの負担が特に大きい時期であることを考慮して、特別に控除額が高く設定されています。
海外の大学に在学中の留学生も対象です。

この場合の所得税の控除額は63万円です。
住民税の控除額は45万円となります。
なお、本人が勤労学生控除の適用を受けている場合でも、親の扶養に入り特定扶養親族として控除を受けることが可能です。

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老人扶養親族(70歳以上・同居):58万円

老人扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年の12月31日時点の年齢が70歳以上の人を指します。
その中でも、納税者本人またはその配偶者の直系尊属で、かつ常に同居している場合は「同居老親等」に該当し、控除額が上乗せされます。
この場合の所得税の控除額は58万円です。

住民税の控除額は45万円となります。
病気治療のため長期入院している場合は同居とみなされますが、老人ホームなどに入所している場合は同居には該当せず、下記の「同居以外」の扱いになります。

老人扶養親族(70歳以上・同居以外):48万円

老人扶養親族のうち、その年の12月31日時点の年齢が70歳以上で、上記の「同居老親等」に該当しない人が対象となります。
具体的には、別居している70歳以上の親に生活費の仕送りをしている場合や、老人ホームに入所している親の費用を負担している場合などがこれにあたります。
この場合の所得税の控除額は48万円です。

住民税の控除額は38万円となります。
同居しているか否かで控除額に10万円の差が設けられています。

扶養控除と配偶者控除の決定的な違い

扶養控除と配偶者控除は、どちらも納税者の税負担を軽減する所得控除ですが、対象となる人が根本的に異なります。
扶養控除の対象は、配偶者以外の親族(子ども、親、兄弟姉妹など)である一方、配偶者控除は文字通り納税者の配偶者が対象です。
したがって、一人の人物が扶養控除と配偶者控除の両方の対象になることはありません。

また、納税者本人の所得にも違いがあります。
扶養控除には納税者本人の所得制限はありませんが、配偶者控除や配偶者特別控除を受けるには、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下でなければなりません。
これらの控除は、ひとり親控除や障がい者控除など、他の所得控除と併用することが可能です。

注意!「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」は別物

「扶養」には、所得税や住民税に関わる「税法上の扶養」と、健康保険や年金に関わる「社会保険上の扶養」の2種類が存在します。
この2つは目的や基準が全く異なる別物です。
税法上の扶養は国税庁が管轄し、主に年収103万円が基準となります。

一方、社会保険上の扶養は年金事務所や健康保険組合が管轄し、年収130万円などが基準です。
この違いを理解しておかないと、税金はかからないと思っていても社会保険料の負担が新たに発生する、といった事態になりかねません。
扶養内で働きたい場合は、どちらの扶養を意識するのかを明確にすることが重要です。

税法上の扶養に関わる「103万円の壁」

「103万円の壁」は、所得税がかかり始めるかどうかの収入のボーダーラインであり、税法上の扶養から外れる基準でもあります。
パートやアルバイトの給与収入が年間103万円を超えると、給与所得控除55万円を差し引いた後の所得が48万円を超えてしまうため、扶養している親族は扶養控除を受けられなくなります。

その結果、扶養者の税負担が増えることになります。
また、収入が103万円を超えた本人にも所得税の支払い義務が生じ、世帯全体で見たときの手取り額が減少してしまう可能性があるため、注意が必要です。

社会保険上の扶養に関わる「106万円・130万円の壁」

社会保険上の扶養には、主に「106万円の壁」と「130万円の壁」があります。
年収が130万円以上になると、扶養から外れて自身で国民健康保険と国民年金に加入し、保険料を支払う義務が生じます。
これが「130万円の壁」です。

また、従業員101人以上の企業などで週20時間以上働くなどの一定の条件を満たす場合は、年収が106万円を超えた時点で勤務先の社会保険に加入することになります。
これが「106万円の壁」です。
保険料の負担は生じますが、将来의年金受給額が増えたり、傷病手当金が受けられたりするメリットもあります。

扶養控除を受けるための申告手続き

扶養控除を受けるためには、納税者自身による申告手続きが必要です。
手続きの方法は、会社員などの給与所得者か、個人事業主かによって異なります。
会社員の場合は勤務先で行う「年末調整」で、個人事業主の場合は自身で行う「確定申告」で申告します。

どちらの場合も、申告書に対象となる扶養親族の氏名やマイナンバーなどの情報を記載して提出するのが基本的なやり方です。
近年では、e-Taxを利用してスマホやパソコンからネットで申告手続きを完結させることも可能になっています。
申告をしなかった場合、控除は適用されません。

会社員の場合:年末調整で「扶養控除等(異動)申告書」を提出

会社員や公務員などの給与所得者は、毎年11月頃に勤務先から配布される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出することで手続きを行います。
この申告書に、控除対象となる扶養親族の氏名、続柄、生年月日、マイナンバー、その年の所得の見積額などを記入します。
会社は提出された内容に基づいて所得税の計算を行い、毎月の給料から源泉徴収された税額との過不足を年末調整で精算します。

もし申告内容に入力漏れや誤りがあった場合でも、原則として5年以内であれば、確定申告(還付申告)を行うことで遡って控除を受けることが可能です。
来年度(令和7年分)以降も、同様に申告書の提出が必要です。

個人事業主の場合:確定申告書の第二表に記入

個人事業主やフリーランスなど、年末調整が行われない納税者は、翌年の2月16日から3月15日までに行う確定申告で扶養控除の申告をします。
具体的には、確定申告書の第二表「配偶者や親族に関する事項」の欄に、対象となる扶養親族の氏名、マイナンバー、続柄、生年月日などを記入します。
そして、控除額を計算し、第一表の「所得から差し引かれる金額」にある「扶養控除」の欄にその合計額を記載します。

「やよいの青色申告」のような会計ソフトを利用すれば、画面の案内に従って情報を入力するだけで、これらの計算や記入が自動的に行われるため、手続きを効率化できます。

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扶養控除に関するよくある質問

扶養控除は節税において重要ですが、その条件や手続きには分かりにくい点も少なくありません。
ここでは、扶養控除に関して特に多く寄せられる質問について、Q&A形式で詳しく解説します。
個別の事情で判断が難しい場合は、税務署や税理士などの専門家に相談することも検討してください。

離れて暮らす親に仕送りをしていますが、扶養控除の対象になりますか?

はい、対象になります。
親の合計所得金額が48万円以下で、生活費や療養費などを定期的に送金し「生計を一にしている」と認められれば、同居していなくても扶養控除の適用を受けられます。

客観的な証明として、金融機関の振込記録などを保管しておくことが重要です。

子どものアルバイト収入が103万円を超えたらどうなりますか?

親が受けていた扶養控除の対象から外れるため、親の税負担が増加します。
子どもの給与収入が103万円を超えると所得が48万円を超えるため、扶養親族の要件を満たさなくなるのが理由です。
また、子ども自身にも所得税の納税義務が発生するため、世帯全体の手取りが減る可能性があります。

年の途中で扶養親族の状況が変わった場合はどうすればいいですか?

扶養控除の判定は、その年の12月31日時点の状況で行います。
例えば、年の途中で子どもが就職して扶養から外れた場合、年末調整や確定申告の際に扶養親族から外して申告すれば問題ありません。

結婚や死亡などの変更があった場合も同様に、年末時点の現況で正しく申告します。

まとめ

扶養控除は、扶養親族がいる納税者の所得税や住民税の負担を軽減するための重要な所得控除制度です。
この控除を受けるためには、「親族の範囲」「生計を一にしていること」「年間の合計所得金額」「年齢」という4つの要件をすべて満たす必要があります。
控除額は扶養親族の年齢や同居の有無によって38万円、58万円、63万円などと異なります。

会社員は年末調整、個人事業主は確定申告で手続きを行います。
より詳細な情報や個別のケースについては、国税庁のウェブサイトで確認するか、税務署に問い合わせることが推奨されます。

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