無申告の告発とは?税務署への密告・通報方法と罰則を解説

確定申告の無申告における税務署への通報や密告・告発の仕組み(通報されるケース・匿名での通報方法・重加算税などの罰則・税理士への相談)を分かりやすく図解したアイキャッチ画像 無申告
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無申告の告発とは、所得があるにもかかわらず確定申告をしていない個人や法人の情報を、国税庁や税務署へ知らせる行為を指します。
一般的に「密告」や「通報」とも呼ばれ、第三者が不正の疑いがある情報を税務当局に提供することで、税務調査のきっかけとなる場合があります。

この記事では、他人の無申告を告発する方法から、自身が無申告であることを告発された場合に科される罰則までを詳しく解説します。

無申告の告発とは?2つの異なる立場から解説

無申告の告発とは、通報する側と、される側の2つの立場によって意味合いが大きく異なります。
通報する側にとっては、不正を正し公平な納税を実現するための情報提供です。
一方で、申告義務があるにもかかわらず申告していない側にとっては、自身の無申告や申告漏れが税務署に発覚し、厳しいペナルティや社会的信用の失墜につながる重大なリスクを意味します。

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【通報したい方向け】他人の無申告を税務署へ告発する方法

他人の無申告や脱税といった不正行為を税務署へ知らせるには、いくつかの方法が存在します。
これらの情報提供は、一般的に「密告」や「タレコミ」とも呼ばれ、税務署が税務調査を開始する重要な端緒の一つです。

ここでは、具体的な通報の方法について解説します。

国税庁の公式サイトから情報提供を行う

国税庁の公式サイトには「課税・徴収漏れに関する情報の提供」という専用フォームが設けられており、オンラインで24時間いつでも情報提供が可能です。
この方法は、匿名での情報提供に対応しているため、自身の情報を明かしたくない場合に適しています。
入力フォームに従い、不正が疑われる個人や会社の情報、具体的な手口などを入力して送信します。

管轄の税務署へ電話または手紙で通報する

不正が疑われる個人や法人の所在地を管轄する税務署に、直接電話をかけたり、手紙を送付したりして通報する方法もあります。
電話の場合、担当者と直接話せるため、詳細な状況を口頭で伝えやすい点が特徴です。
手紙の場合は、不正の証拠となる資料のコピーを同封することで、より信憑性の高い情報として扱われやすくなります。

いずれの方法も匿名で行うことは可能ですが、より詳しい情報が求められることもあります。

税務署の窓口へ直接訪問して情報提供する

管轄の税務署の窓口へ直接出向き、職員に情報提供を行う方法も選択肢の一つです。
この方法は、担当者と対面で話せるため、複雑な内容や詳細な情報を正確に伝えられるという利点があります。

ただし、他の方法に比べて匿名性を保つのが難しく、身元を明かす覚悟が必要になる場合も考えられます。
証拠資料を持参して具体的な説明を行うことで、より確実な通報につながる可能性があります。

匿名での告発は可能?通報者のプライバシーは保護されるのか

匿名での告発は可能です。
国税庁の公式サイトからの情報提供をはじめ、電話や手紙でも名前を明かさずに通報できます。
また、国家公務員には守秘義務が課せられているため、仮に情報提供者の身元がわかったとしても、その情報が外部に漏れることはありません。

通報した事実が対象者に知られることはなく、プライバシーは厳重に保護されます。

税務調査につながりやすい信憑性の高い情報提供のポイント

税務署が調査に動くためには、提供される情報に高い信憑性が求められます。
単なる噂話や「不正をしているはずだ」といった憶測だけでは、調査の開始は困難です。
信憑性を高めるためには、対象者の氏名や住所、不正の手口、具体的な金額、取引先といった客観的な事実を「5W1H」に沿って具体的に示すことが重要です。

根拠のない嘘や誹謗中傷と判断されるような情報は、税務調査の対象とはなりません。

【告発を恐れている方向け】無申告が発覚した際のペナルティ

無申告のままでいると、いつか税務署に発覚するリスクを常に抱えることになります。
無申告の場合、意図的に税金を逃れようとしたと見なされ、単なる申告漏れよりも重いペナルティが科される可能性が高いです。

なぜバレるのか、部署や活動実態に関わらず無申告が発覚した際にどのような罰則が待っているのかを具体的に解説します。

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無申告が税務署に発覚する主なきっかけ

「なぜバレるのか」と疑問に思うかもしれませんが、税務署は多様な情報網を持っています。
最も多いきっかけの一つが、元従業員や取引先、知人など第三者からの通報です。

また、取引先の税務調査(反面調査)の過程で無申告が判明するケースや、企業が税務署に提出する支払調書から発覚する場合もあります。
近年では、SNSやインターネット上の情報から個人の収入を把握し、調査に至ることも増えています。

告発された場合に科される4つの追徴課税

無申告が発覚した場合、本来納めるべきだった税金に加えて、ペナルティとして以下の追徴課税が科される可能性があります。
無申告加算税:期限内に申告しなかったことに対する罰金。
重加算税:意図的な所得隠しなど、特に悪質と判断された場合に課される最も重い罰金。

延滞税:法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課される利息に相当する税金。
利子税:延納や物納が認められた場合に課される税金。
なお、税金の時効は原則5年ですが、脱税など悪質なケースでは7年に延長されます。

悪質なケースは刑事罰の対象に!逮捕される可能性も

追徴課税の支払いに加え、特に所得の隠蔽行為が悪質と判断された場合は、「ほ脱」として刑事罰の対象となります。
国税局の査察部(通称マルサ)が強制調査を行い、検察庁に告発(摘発)されれば、逮捕・起訴に至る可能性も否定できません。
有罪判決が下されると、「10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方」が科される重い罪です。

刑事告発に至る年間の所得金額の目安

刑事告発されるかどうかに、所得金額の明確な基準はありません。
しかし、一般的には脱税額が1億円を超えると、告発される可能性が極めて高まると言われています。
ただし、これはあくまで目安であり、金額の大小だけでなく、所得隠しの手口が悪質かどうかが重視されます。

そのため、個人の事業主であっても、意図的に長期間にわたって所得を隠し続けた場合などは、金額が1億円に満たなくても刑事告発の対象となり得ます。

無申告のまだらと危険!今すぐ自主的に申告すべき理由

確定申告が未了のまま放置することは、税務調査や重いペナルティのリスクを常に抱え続けることを意味します。
税務署から指摘される前に自主的に申告することで、そのリスクを大幅に軽減できます。
無申告の状態に気づいたら、一日でも早く行動を起こすことが重要です。

期限後申告ならペナルティを軽減できる

申告期限を過ぎてから申告することを「期限後申告」と呼びます。
税務調査の事前通知を受ける前に自主的に期限後申告を行えば、無申告加算税の税率が軽減されます。

具体的には、本来15%または20%の税率が5%にまで引き下げられるため、金銭的な負担を大きく減らすことが可能です。
これは一度申告した内容を訂正する修正申告とは異なり、無申告者にとって重要な救済措置です。

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税理士に相談して正確な申告手続きを進める

数年分にわたる確定申告を個人で行うのは、帳簿の整理や書類の準備に多くの手間と時間がかかります。
このような場合、税金の専門家である税理士に相談するのが賢明な選択です。
税理士に依頼すれば、過去の取引を整理し、正確な申告書を作成してもらえます。

また、税務署とのやり取りも代行してくれるため、手続き上の不安や精神的な負担を大きく軽減しながら、適切に納税義務を果たすことができます。

国税庁が発表した無申告の告発事例

国税庁は、毎年「査察の概要」として、悪質な脱税者に対する調査結果や告発事例を公表しています。
これらの事例からは、どのような業種や手口が税務当局の摘発対象になりやすいのか、近年の傾向を読み取ることが可能です。
特にインターネット関連の経済活動に対する監視が強化されています。

インターネット取引やシェアリングエコノミー関連の告発事例

近年、国税庁が特に注視しているのが、インターネットを介した経済活動です。
ネット通販、アフィリエイト収入、動画配信の広告収入などを得ているにもかかわらず、申告していない個人の摘発が相次いでいます。
また、民泊やカーシェアといったシェアリングエコノミーで得た所得を申告せず、個人の銀行口座に振り込ませることで所得を隠蔽していたケースも告発の対象となっています。

無店舗型ビジネスやインフルエンサーの告発事例

店舗を持たずに活動するフリーランスや個人事業主も、重点的な調査対象です。
SNSで大きな影響力を持つインフルエンサー、ウェブデザイナー、コンサルタントなどが、現金で報酬を受け取ったり、架空の経費を計上したりする手口で所得を隠し、告発されています。
物理的な店舗がないため実態が把握しにくいとされていましたが、取引先の情報やSNSの投稿などから収入を割り出し、摘発に至るケースが増加しています。

無申告の告発に関するよくある質問

ここでは、無申告の告発に関して個人の方から寄せられることが多い質問とその回答を紹介します。

Q1. 無申告を告発すると報奨金はもらえますか?

いいえ、報奨金はもらえません。
日本の税制度には、脱税に関する通報者への報奨金制度は存在しないのが現状です。
情報提供は、あくまで国民の協力や義務の一環として位置づけられています。

Q2. 虚偽の内容で告発された場合、どうなりますか?

事実に基づかない虚偽の告発であっても、内容によっては税務署が調査を開始する可能性はあります。
しかし、正しく申告・納税していれば何も問題ありません。
悪意のある嘘の通報は、通報者が偽計業務妨害罪などに問われる可能性があります。

Q3. 家族や元従業員からの告発でも調査は行われますか?

はい、行われる可能性は非常に高いです。
家族や元従業員といった内部関係者からのタレコミや密告は、具体的な手口やお金の流れを把握している場合が多く、情報の信憑性が高いと判断されます。

そのため、税務調査に直結しやすい傾向にあります。

まとめ

無申告の告発は、他人の不正を正すための情報提供という側面と、自身の無申告が発覚するリスクという側面の二つを持ち合わせています。
通報制度が機能している以上、「申告しなくてもバレない」という考えは非常に危険です。

もし確定申告を怠っている場合は、税務署からの指摘を待つのではなく、自主的に期限後申告を行うことが、ペナルティを最小限に抑えるための最善の策となります。スケジュールに遅れないよう早めの準備を心がけてください。

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この記事の執筆者
武信 隼人
武信 隼人
税理士事務所CUBE 代表税理士 / タクバツ監修

個人事業主・フリーランスの確定申告、無申告、税務調査対応に強みを持つ税理士。これまで多くの税務相談・申告対応を行ってきた実務経験をもとに、タクバツの記事監修を担当しています。専門性だけでなく、わかりやすさと安心感のある情報発信を大切にしています。

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