適格請求書(インボイス)を発行するには、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、登録を受ける必要があります。
特に迷いやすいのが、「課税事業者・免税事業者・新規開業のどれを選ぶのか」「登録希望日はいつにするのか」という点です。
この記事では、国税庁の実際の登録申請書を使い、個人事業主を中心に書き方・提出方法・登録後の消費税申告まで解説します。
まずここだけ確認
登録は任意:すべての事業者に義務があるわけではありません
免税事業者:登録すると原則として登録日以後は消費税の申告・納税が必要
登録希望日:一定の免税事業者は提出日から15日以後の日を指定
提出方法:e-Taxまたは書面
書面の送付先:納税地を管轄するインボイス登録センター
開業したばかりの方は、 個人事業主の開業届の書き方・提出期限 もあわせて確認してください。
登録後は所得税だけでなく消費税の管理も必要になるため、 個人事業主の税金の種類や納税時期 も整理しておくと分かりやすくなります。
インボイス登録とは?
インボイス制度では、税務署長の登録を受けた「適格請求書発行事業者」だけが、適格請求書を発行できます。
取引先が課税事業者で、仕入税額控除のためにインボイスを必要としている場合などは、登録を求められることがあります。
一方、一般消費者との取引が中心など、取引状況によっては登録の必要性が低い場合もあります。
免税事業者は登録後の消費税まで考えて判断
インボイス登録だけして終わりではありません。免税事業者が登録した場合、原則として登録日以後の取引について消費税の申告・納税が必要になります。
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必要な情報を送るだけで、書類作成から提出までお任せいただけます。
インボイス登録申請書は2ページで確認する
現在の登録申請書は「初葉」と「次葉」に分かれています。
まず初葉で、申請者の基本情報と「事業者区分」を確認します。下の①〜③を見てください。

出典:国税庁「適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)」に番号を追記
初葉の書き方|①〜③
① 提出先・提出年月日
申請書には、納税地を所轄する税務署長名と提出年月日を記入します。
申請書の宛名と郵送先は別です
申請書は所轄税務署長宛てですが、書面で郵送する場合は、納税地を管轄する「インボイス登録センター」へ送付します。
② 申請者の基本情報
納税地、氏名または名称、電話番号などを記入します。
法人の場合は法人番号、法人名、代表者氏名などを記載します。
個人事業主は屋号だけではなく、本人の氏名で申請します。
③ 「事業者区分」が最も重要
申請時点の状況に応じて、次の区分から該当する番号を記入します。
| 区分 | 主なケース |
|---|---|
| 1 課税事業者 | 申請時点ですでに消費税の課税事業者 |
| 2 免税事業者 | 既存事業者で、申請時点では消費税の免税事業者 |
| 3 新規開業等した事業者 | 事業を開始した課税期間中に申請する一定の個人事業者・法人 |
「開業したばかりだから必ず3」と単純に決めるのではなく、国税庁のケース別フローチャートで自分の状況を確認するのがおすすめです。
次葉では免税事業者の確認・登録要件を記入する
次葉には、「A 免税事業者の確認」「B 登録要件の確認」「C 相続による事業承継」の欄があります。
通常のインボイス登録では、申請者の状況に応じて④・⑤を中心に確認します。

出典:国税庁「適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)次葉」に番号を追記
次葉の書き方|④〜⑥
④ 「A 免税事業者の確認」
申請時点で免税事業者に該当する場合などに確認する欄です。
個人事業者の場合は、状況に応じて個人番号、生年月日、事業内容、登録希望日などを記載します。法人の場合は事業年度や資本金などを記入する欄があります。
登録希望日とは?
一定の免税事業者が課税期間の途中からインボイス登録する場合、登録を受けたい日を指定できます。原則として、申請書の提出日から15日以後の日を記載します。
例えば8月1日に申請する場合、原則として8月16日以後の日を登録希望日に指定できます。
登録希望日から課税事業者となるため、「いつからインボイスを発行するか」だけでなく、「いつから消費税の申告対象になるか」まで考えて決めましょう。
⑤ 「B 登録要件の確認」
適格請求書発行事業者として登録を受けるための要件を確認する欄です。
質問を読み、実際の状況に応じて番号を記入します。形式的にすべて「はい」にするのではなく、それぞれの内容を確認してください。
⑥ 「C 相続による事業承継」
相続により適格請求書発行事業者の事業を承継した場合に使用する欄です。
通常の新規開業や、既存の個人事業主が自分でインボイス登録するケースでは、原則としてこの欄を使いません。
相続による事業承継の場合は、国税庁が別途公開している「相続により事業を承継した個人事業者用」のケース別申請書を確認してください。
記入項目を一覧で確認
申請書の全体像を①〜⑥で整理すると次のとおりです。

インボイス登録申請書の提出方法
e-Taxで提出する
国税庁は、インボイス登録申請についてe-Taxでの作成・提出を案内しています。
e-Taxソフト(WEB版)では、画面に表示される質問へ回答しながら申請データを作成できるため、書面より記入箇所を判断しやすいのがメリットです。
国内の個人事業者は、スマートフォンやタブレットから申請することもできます。
登録通知までの現在の目安
e-Tax:約1か月
書面:約1.5か月
※申請状況や記載内容により長くなる場合があります。
書面で提出する
書面の場合は、国税庁の最新様式を使って作成し、納税地を管轄するインボイス登録センターへ郵送します。
個人番号を記載して書面提出する場合は、本人確認書類についても確認してください。
登録後は消費税の申告を忘れない
免税事業者がインボイス発行事業者として登録すると、原則として登録日以後の取引について消費税の申告・納税が必要です。
所得税の 確定申告 だけをして、消費税申告を忘れないよう注意しましょう。
個人事業主の所得税申告については、 個人事業主の確定申告完全ガイド でも整理しています。
「売上1,000万円以下だから消費税申告は不要」とは限りません
インボイス発行事業者として登録している間は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも、原則として消費税の納税義務の免除は受けられません。
2026年は2割特例、2027年・2028年は3割特例も確認
2026年分までは2割特例を使える場合がある
インボイス登録をきっかけに免税事業者から課税事業者となった一定の事業者には、納付税額を売上税額の2割とする「2割特例」があります。
個人事業者の場合、一定の要件を満たせば2026年分の消費税申告まで対象になります。
一定の個人事業者は2027年・2028年分に3割特例
2026年度税制改正により、インボイス登録により免税事業者から課税事業者となった一定の個人事業者については、2027年分・2028年分の消費税申告で、納付税額を売上税額の3割とする「3割特例」を利用できる場合があります。
法人は3割特例の対象ではなく、個人事業者でも売上などによって適用できないケースがあります。
屋号を公表サイトに載せたい場合
個人事業主の登録は本人氏名で行います。
主たる屋号や主たる事務所の所在地などを国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトへ追加で掲載したい場合は、登録申請書とは別に「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」を提出します。
インボイス登録申請書に関するよくある質問
Q. インボイス登録申請書に一律の提出期限はありますか?
一律の期限があるわけではありません。ただし、希望する登録日や課税期間の初日から登録を受ける場合などは提出時期にルールがあります。
Q. 売上が1,000万円以下でも登録できますか?
はい。免税事業者でも一定の手続きによりインボイス登録できます。ただし、登録後は原則として消費税の申告・納税が必要です。
Q. 登録希望日はいつにできますか?
一定の免税事業者が課税期間の途中から登録を受ける場合は、原則として申請書の提出日から15日以後の日を登録希望日として指定します。
Q. 登録番号とマイナンバーは同じですか?
同じではありません。個人事業者にも「T+13桁」の登録番号が付与されますが、この13桁の数字はマイナンバーとは別の番号です。
Q. 屋号だけでインボイス登録できますか?
個人事業主は本人氏名で登録します。屋号を公表したい場合は、公表事項の公表(変更)申出書を別途確認します。
Q. e-Taxと書面ではどちらが早いですか?
現在の国税庁の目安では、登録通知までe-Taxが約1か月、書面が約1.5か月です。
まとめ|登録日と登録後の消費税まで考えて申請する
インボイス登録申請で最初に確認したいのは、自分が「課税事業者」「免税事業者」「新規開業等した事業者」のどれに該当するかです。
特に免税事業者は、登録希望日だけでなく、その日から消費税の課税事業者になることまで確認して申請しましょう。
① インボイス登録が必要か確認する
② 自分の事業者区分を確認する
③ 登録希望日を決める
④ e-Taxまたは書面で申請する
⑤ 登録後の消費税申告を忘れない
税金や申告についてまとめて確認したい方は、 タクバツの税金ガイド もご覧ください。
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参考:国税庁の公式情報
本記事は2026年8月時点の法令および国税庁・e-Tax公表情報をもとに作成しています。登録申請書は申請者の状況によって記載箇所が異なるため、実際の提出時には国税庁の最新様式・ケース別フローチャートもご確認ください。


