確定申告とは?誰がいつまでに?やり方を初心者向けにわかりやすく

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そもそも確定申告とは、1年間の所得を計算し税金の額を確定させる手続きです。
全く知識がない方にも1から分かりやすく、確定申告が必要な人は誰で、いつからいつまでに行うのか、そのやり方について解説します。

この期間内に手続きをすることで、払いすぎた税金が戻ってくる可能性もあります。
この記事を読めば、確定申告の基本がかんたんに理解でき、自分が何をするべきかが明確になります。

  1. 確定申告とは?1年間の所得と税金を計算・精算する手続きのこと
    1. 確定申告と年末調整は何が違う?会社員でも必要なケースを解説
  2. 【あなたは対象?】確定申告が必要な人の条件をチェック
    1. 給与所得者(会社員・パート・アルバイト)で申告が必要なケース
    2. 個人事業主やフリーランスで申告が必要なケース
    3. 年金受給者で申告が必要なケース
  3. 確定申告をすると税金が戻ってくる(還付申告)可能性があるケース
    1. 医療費を年間10万円以上支払った場合(医療費控除)
    2. 住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合(住宅ローン控除)
    3. ふるさと納税などで寄付をした場合(寄附金控除)
    4. 災害や盗難などの損害を受けた場合(雑損控除)
    5. 年の途中で退職し年末調整を受けていない場合
  4. 【初心者向け】確定申告のやり方を5つのステップで解説
    1. STEP1:申告方法を選ぶ(青色申告・白色申告)
    2. STEP2:確定申告に必要な書類を揃える
    3. STEP3:確定申告書を作成する4つの方法
    4. STEP4:完成した確定申告書を税務署へ提出する
    5. STEP5:算出した所得税の納付または還付金の受け取り
  5. 確定申告の期間はいつからいつまで?提出期限を解説
    1. 還付申告なら過去5年分さかのぼって提出可能
  6. 確定申告の期限に遅れたらどうなる?課されるペナルティの種類
    1. 無申告だった場合に課される「無申告加算税」
    2. 納税が遅れた場合に課される「延滞税」
    3. 悪質な所得隠しと判断された場合の「重加算税」
  7. 確定申告に関するよくある質問
    1. Q1. 副業収入が20万円以下なら本当に申告しなくていいの?
    2. Q2. パソコンを持っていませんが、スマートフォンだけで手続きは完了しますか?
    3. Q3. 確定申告のやり方が分からなくて困ったときの相談先はどこ?
  8. まとめ

確定申告とは?1年間の所得と税金を計算・精算する手続きのこと

確定申告の目的は、1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得を合計し、それに対する所得税の額を計算して確定させることです。
その意味は、国に納めるべき税額を自己申告し、納税または還付を受けるための一連の手続きを指します。
すでに給与などから源泉徴収で天引きされている税額と、本来納めるべき税額との差額を精算し、不足分があれば納税、納めすぎていれば還付金として受け取ります。

確定申告と年末調整は何が違う?会社員でも必要なケースを解説

確定申告と年末調整の大きな違いは、手続きを行う主体です。
年末調整は、会社員やサラリーマンの所得税を会社が代行して精算する手続きであり、給与から天引き(源泉徴収)された税金の過不足を調整します。

一方、確定申告は納税者本人が行います。
この区分の違いから、会社員でも副業収入がある場合や、医療費控除、住宅ローン控除(初年度)など、年末調整では対応できない控除を利用したい場合には、個人で確定申告が必要です。

【あなたは対象?】確定申告が必要な人の条件をチェック

確定申告が対象かどうかは、所得の種類や金額によって判断します。
個人事業主やフリーランスは原則として申告が必要ですが、会社員や年金受給者でも特定の条件を満たすと対象者となります。
年収がいくらから申告が必要になるか、無職でも申告が必要なケースなど、個人の状況によってさまざまです。

なお、これは個人の所得税に関する手続きであり、企業が行う法人税の決算申告とは異なります。

給与所得者(会社員・パート・アルバイト)で申告が必要なケース

正社員の会社員や派遣、パート、アルバイトなどの給与所得者でも、確定申告が必要な場合があります。
具体的には、年間の給与収入が2,000万円を超える場合や、2か所以上から給与を受け取っている場合です。

また、副業による所得の合計が年間20万円を超える場合も申告義務が生じます。
新卒で年の途中で入社した場合や、複数のバイトを掛け持ちしている学生も対象になる可能性があります。

【あわせて読みたい:会社員向け】
会社員で確定申告が必要になるケースや、詳しい条件についてさらに知りたい方はこちら。
会社員の確定申告とは?必要なケース

個人事業主やフリーランスで申告が必要なケース

個人事業主やフリーランス、業務委託で収入を得ている人は、年間の所得金額が基礎控除額(48万円)を超えると確定申告が必要です。
所得とは、収入から事業に必要な経費を差し引いた金額を指します。
屋号の有無は関係ありません。

不動産所得がある場合も同様です。
また、インボイス制度の導入に伴い、売上によっては消費税及び地方消費税の申告も必要になるケースがあります。
これは法人の決算(法人税申告)とは異なる手続きです。

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個人事業主が納めるべき税金の種類や、所得税・住民税・消費税の仕組みについて分かりやすく解説しています。
個人事業主の税金とは?所得税・住民税・消費税をわかりやすく解説

年金受給者で申告が必要なケース

年金受給者でも確定申告が必要な場合があります。
公的年金等の収入金額が400万円を超え、かつ公的年金等以外の所得が20万円を超える場合は申告義務があります。

この条件に当てはまらない「確定申告不要制度」の対象者でも、生命保険料控除や扶養控除、医療費控除などを受けることで税金が還付される可能性がある場合は、申告をすると有利になります。
年齢は直接の条件ではありません。

【あわせて読みたい:年金受給者向け】
年金を受け取っている方向けに、確定申告の要否や手続きのポイントを解説しています。
年金受給者の確定申告

確定申告をすると税金が戻ってくる(還付申告)可能性があるケース

確定申告をすると、納めすぎた所得税が還付金として戻ってくる可能性があります。
これは「還付申告」と呼ばれ、申告義務がない人でも行える権利です。
例えば、年末調整では適用されない各種控除を利用する場合などが該当します。

これは合法的な節税のメリットであり、対象となる控除を正しく申告することでお金が戻ってくる仕組みです。
どのようなケースが該当するのか、具体的に見ていきましょう。

医療費を年間10万円以上支払った場合(医療費控除)

1年間の医療費の合計が10万円(または総所得金額等の5%のいずれか低い金額)を超えた場合、医療費控除を受けられます。
これは、本人だけでなく生計を同一にする配偶者や親族の医療費も世帯で合算可能です。
ただし、生命保険などから受け取った保険金は支払った医療費から差し引く必要があります。

手続きには領収書やレシートを基に「医療費控除の明細書」を作成して提出します。

住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合(住宅ローン控除)

住宅ローンを利用して新築の家を購入したり、増改築したりした場合、「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」を受けられます。
この控除を受けるためには、購入・入居した年の翌年に確定申告をする必要があります。
会社員の場合、2年目以降は年末調整で手続きが完結します。

他の控除との併用については、条件を確認することが重要です。

ふるさと納税などで寄付をした場合(寄附金控除)

ふるさと納税をして「ワンストップ特例制度」を利用していない場合や、6つ以上の自治体に寄付した場合は、確定申告をすることで寄附金控除を受けられます。
この制度を利用すると、寄付額のうち2,000円を超える部分について、所得税や住民税から控除されます。
ふるさと納税以外にも、国や地方公共団体、特定の法人への寄付も控除の対象です。

災害や盗難などの損害を受けた場合(雑損控除)

台風や地震などの自然災害、火災、盗難、横領によって、住宅や家財などの資産に損害を受けた場合、「雑損控除」を受けられます。
これにより、所得税が軽減される可能性があります。
ただし、詐議や恐喝による損害は対象外となるため注意が必要です。
損害額の計算には、被害を受けた資産の明細や、災害関連支出の領収書などが必要になります。

年の途中で退職し年末調整を受けていない場合

年の途中で退職し、その後再就職していない場合、年末調整を受けていないため、確定申告をすることで納めすぎた税金が戻ってくる可能性があります。
退職時に会社からもらう源泉徴収票を基に申告します。
また、転職した場合でも、前の会社の源泉徴収票を新しい勤務先に提出していないと年末調整が正しく行われないため、自分で申告が必要です。

退職金についても、受け取り方によっては申告が必要になる場合があります。

【初心者向け】確定申告のやり方を5つのステップで解説

確定申告は、手順を理解すれば初心者でも簡単に行うことが可能です。
主に3つの申告書作成方法があり、自分で手続きを完結させることもできます。
ここでは、確定申告の準備から納税または還付金の受け取りまで、全体の流れを5つのステップに分けて具体的に解説します。

この手順に沿って進めることで、迷うことなく手続きを終えることができるでしょう。

STEP1:申告方法を選ぶ(青色申告・白色申告)

主に個人事業主やフリーランスが選択する申告方法には、青色申告と白色申告の2種類があります。
白色申告は事前の届出が不要で簡易な帳簿付けで済む一方、税制上の特典はありません。

青色申告は、事前に「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要ですが、最大65万円または55万円の特別控除など節税メリットが大きいです。
申告方法の変更は可能ですが、白色から青色への切り替えには期限があるため注意が必要です。

STEP2:確定申告に必要な書類を揃える

確定申告にはいくつかの必要書類があります。
まず、申告書本体と本人確認書類(マイナンバーカードなど)が必要です。
次に、源泉徴収票や支払調書といった収入を証明する書類を揃えます。

さらに、生命保険料控除証明書や国民年金保険料控除証明書など、各種控除を受けるための証明書類も準備します。
令和の申告では、マイナポータルと連携することで一部の証明書データを自動で取得することも可能です。
書類の見方を確認し、漏れなく集めましょう。

STEP3:確定申告書を作成する4つの方法

確定申告書の作成には、主に4つの方法があります。
1つ目は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用する方法で、スマホからも作成でき、e-Tax(イータックス)での提出がスムーズです。
2つ目は会計ソフト(マネーフォワードクラウドなど)を使い、日々の帳簿からラクに作成する方法。

3つ目は税務署の窓口で相談しながら手書きで作成する方法。
4つ目は税理士に依頼する方法です。
e-Taxの利用にはマイナンバーカードでのログインが便利です。

STEP4:完成した確定申告書を税務署へ提出する

作成が完了した確定申告書は、所轄の税務署へ提出します。
提出方法は3つあります。
最も便利なのは、インターネット経由で申告する「e-Tax」です。

2つ目は、税務署の窓口へ直接持参する方法、または時間外収受箱へ投函する方法。
3つ目は、郵便または信書便で郵送する方法です。
郵送の場合、通信日付印が提出日とみなされます。

STEP5:算出した所得税の納付または還付金の受け取り

申告の結果、納税額がある場合は、期限までに納付します。
納付方法には、指定口座からの振替納税、クレジットカード納付、コンビニ納付、e-Taxを利用したダイレクト納付などがあります。
一方、還付金が発生した場合は、申告書に記入した銀行口座へ後日振り込まれます。

還付金の受け取りに手数料はかかりません。
振り込まれる金額は、申告内容に基づいて確定します。

確定申告の期間はいつからいつまで?提出期限を解説

所得税の確定申告の期間は、原則として、申告対象の年の翌年2月16日から3月15日までです。
例えば、令和6年(2024年)分の確定申告は、2025年2月17日(月)から3月17日(月)までとなります。

この期間内に申告と納税を完了させる必要があります。
なお、令和6年分の申告においては、1人あたり4万円の定額減税が適用されるため、自身の減税額についても確認しておくとよいでしょう。

還付申告なら過去5年分さかのぼって提出可能

税金を納めるための確定申告とは異なり、払いすぎた税金の還付金を受け取るための「還付申告」は、通常の申告期間とは関係なく行えます。
還付申告ができる期間は、その年の翌年1月1日から5年間です。
したがって、過去に医療費控除やふるさと納税の申告を忘れていた場合でも、5年以内であればさかのぼって申告し、還付金を受け取ることが可能です。

確定申告の期限に遅れたらどうなる?課されるペナルティの種類

確定申告をしないとどうなるかというと、本来納めるべき税金に加えて、ペナルティとして追徴課税が課される可能性があります。
これは、正当な理由なく申告期限を過ぎた場合や、納税が遅れた場合に発生します。
ペナルティにはいくつかの種類があり、無申告だった場合や納税が遅れた場合、悪質なケースなどで内容が異なります。

期限を守ることが非常に重要です。

無申告だった場合に課される「無申告加算税」

申告期限内に確定申告をしなかった場合、「無申告加算税」が課されます。
これは、本来納めるべき税額に対して、一定の税率を乗じて計算されるペナルティです。

ただし、税務署の調査を受ける前に、未申告の状態に気づき自主的に期限後申告をした場合は、税率が軽減されることがあります。
納税の意思があることを示すためにも、気づいた時点ですぐに申告することが大切です。

【あわせて読みたい:無申告のペナルティ】
申告義務があるのに期限を過ぎてしまった場合の詳細なペナルティや、今すぐできる対処法を税理士が解説しています。
無申告とは?税金のペナルティ・今からできる対処法を税理士が解説

納税が遅れた場合に課される「延滞税」

「延滞税」は、法定納期限までに所得税を納付しなかった場合に課されるペナルティです。
これは納税が遅れたことに対する利息のようなもので、納期限の翌日から完納する日までの日数に応じて自動的に計算されます。

通常、申告が遅れると納税も遅れるため、無申告加算税とあわせて課されることが多くなります。
納付が遅れるほど金額は増えていきます。

悪質な所得隠しと判断された場合の「重加算税」

意図的に帳簿を改ざんしたり、収入を隠したりするなど、仮装・隠蔽といった悪質な行為があったと判断された場合には、「重加算税」という最も重いペナルティが課されます。
これは、無申告加算税や過少申告加算税に代わって適用されるもので、税率も非常に高くなります。
税務調査などで非協力的な態度をとった場合なども、悪質と見なされる可能性が高まります。

確定申告に関するよくある質問

ここでは、確定申告に関して多くの人が疑問に思う点をQ&A形式で解説します。
副業収入のルールや、スマホでの手続き方法、困ったときの相談先など、初心者がつまずきやすいポイントを取り上げています。

Q1. 副業収入が20万円以下なら本当に申告しなくていいの?

会社員などの給与所得者で、副業の所得(収入から経費を引いた額)が年間20万円以下の場合は、「所得税」の確定申告は原則として不要です。
ただし、これはあくまで国の税金(所得税)のルールであり、お住まいの自治体に納める「住民税」の申告は別途必要になる点に注意してください。
また、医療費控除などで自ら確定申告を行う場合は、20万円以下の副業所得もすべて含めて申告する必要があります。

Q2. パソコンを持っていませんが、スマートフォンだけで手続きは完了しますか?

はい、マイナンバーカードと、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンがあれば、確定申告の全手続きをスマホだけで完結させることが可能です。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」はスマホ専用の使いやすい画面に対応しており、画面の案内に従って入力していくだけで、申告書の作成からe-Tax(電子申告)での提出までスムーズに行えます。

Q3. 確定申告のやり方が分からなくて困ったときの相談先はどこ?

確定申告の手続きで不明点が生じた場合、国税庁の電話相談センターや、所轄の税務署の窓口で無料で相談に乗ってもらえます。
ただし、2月〜3月の申告期間中は窓口が大変混み合うため、対面での相談にはLINE等での事前予約が必要となるケースがほとんどです。
もし、個別の事情に合わせた具体的な節税対策や、複雑な申告書の作成そのものを丸投げしたい場合は、費用はかかりますが税金の専門家である税理士に相談するのが最も確実です。

まとめ

確定申告は、1年間の所得とそれに対する所得税を計算し、精算するための重要な手続きです。
個人事業主やフリーランスだけでなく、会社員や年金受給者でも、副業収入がある場合や特定の控除を受けたい場合には申告が必要となります。
申告期間は原則翌年の2月16日から3月15日までです。

自身が対象者であるかを確認し、期限内に正しく手続きを行いましょう。
また、義務がない場合でも、還付申告によって納めすぎた税金が戻ってくる可能性があります。

この記事の執筆者
武信 隼人
武信 隼人
税理士事務所CUBE 代表税理士 / タクバツ監修

個人事業主・フリーランスの確定申告、無申告、税務調査対応に強みを持つ税理士。これまで多くの税務相談・申告対応を行ってきた実務経験をもとに、タクバツの記事監修を担当しています。専門性だけでなく、わかりやすさと安心感のある情報発信を大切にしています。

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